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恋愛小説風あの頃番長は若かったシリーズ④-8 
2010 / 04 / 02 ( Fri )
大好評、あの頃番長は若かったシリーズ。

あの頃番長は若かったシリーズ①
あの頃番長は若かったシリーズ②
あの頃番長は若かったシリーズ③

あまりに(?)大好評だったので
ついに


初回はこちら。
恋愛小説風、あの頃の番長は若かった④-1

続きはこちら。
恋愛小説風、あの頃の番長は若かった④-2
恋愛小説風、あの頃の番長は若かった④-3
恋愛小説風、あの頃の番長は若かった④-4
恋愛小説風、あの頃の番長は若かった④-5
恋愛小説風、あの頃の番長は若かった④-6
恋愛小説風、あの頃の番長は若かった④-7


定期演奏会に出られなくなった番長は一体どうなってしまったのでしょう・・・。



8月2日。
いつも通りに先輩の車を降り、
いつも通りに制服からTシャツ短パンのスタイルに着替える。
冷蔵庫の麦茶でも飲もうかと、冷蔵庫を開け
その前に先輩に
「今日もありがとう」のベルを打つ。

今日もお母さんは祖母の病院に見舞いに行って
居ない。
同居している祖母と二人、質素な晩ご飯を作る。
そのうち父が帰宅し、
祖父、祖母、父、私の4人で晩ご飯を食べる。


実は。

何気なく過ごしている毎日だったが、
常にビクビクしていた。
この日が来ることを。

いつ訪れるかはわからないが、
そう遠い日でも無いだろう。
誰もがそう思っていた。

そしてやっぱり
それは訪れた。


祖母の死。




4人だけの静かな食事をとっている時。
電話がなった。
母からだった。
母は意外に冷静だった。
「ばーちゃん、もうダメかもしれんからお父さんと病院来て」

私と父は二人で病院に向かった。
もうダメと完全に決まった訳じゃないのに、
父は隣の県で一人暮らしをしていた兄に電話をして
「すぐに帰って来い」と言っていた。


病院には
母の兄弟・姉妹
私から見たらおじさん・おばさんが集まっていて
泣いてる人
冷静に淡々と話す人
手を握りしめて祖母に話しかけている人
様々だった。

それから間もなく
死亡宣告がされた。

私のイトコ達も続々と集まってきて
親戚達はただ
事務的に今後の事を話し合っていた。

祖母はもう何年も病院生活を送っていた。
祖母の病気は私が保育園の頃から続いていたものだった。
私が小学生の頃には
そこに名医がいると紹介され
遠く離れて大阪に入院していた事もあった。

口を開けば
「家に帰りたい」
そう言っていた祖母が
やっとうちに帰れる。
亡くなった事はもちろん悲しい事だけど
やっと楽になれたと言う気持の方が
大きかったような気がする。





祖母が亡くなってから母の実家では
親たちは葬儀屋との打合せなどで
とても忙しそうにしていた。
私たち孫は
ただ力仕事を任せられるだけで
特別する事もなく

まだ幼い小学生のイトコ達の相手をしていたと思う。



0時を回っていた頃だったろうか。
家の中の何カ所に

通夜 8月3日 午後7時より
葬儀 8月4日 午前10時より

の張り紙があることに気が付いた。
私はただ何気なく見ていた。

そこに母がとても悲しい表情で私の方に歩いてきて
「ゆみちゃん、ごめんね」
と泣き出した。
私は一体何があったのかわからなくて
「何?」
と、半分びっくり半分不安 そんな感じで聞き返した。



「演奏会、出られんくなってしまったね」



うん。そうだね・・・・。

精一杯の言葉だった。

「出たい」とも言えないし。


ただ、正直不安があった。

誰が私をカバーするのか。
ある程度簡単な曲はOBが譜面を見ればすぐにでも
できるだろう。
だが、
コンクールの曲や
ソロを担当していた曲・・・・。
こればっかりはどうやっても穴埋めは出来ない。


いや、やっぱり私じゃないとダメだろう。
どんな曲でもそう。
絶対私じゃないとダメだ。


なのに・・・。




変な自信が次から次へと出てくる。
こんな時でもやっぱり定期演奏会に出たいって言う
本当の気持ちが
その変な自信を起こさせている理由だろう。

だが、どうしようも出来ない。
こればっかりは仕方がない。

きっと母も本当は出させたいと思って居ただろう。
だが、これだけ人が集まる葬式の日に
孫の一人が欠けたら
たちまち、
しきたりや体裁にうるさい
古い古い親戚達から
非難の声が上がるだろう。
母も辛かったと思う。


夜中の1時頃だったと思う。

失礼なのを承知で先輩にベルを打った。


「キュウナコトナンダケド、オバアチャン、ナクナッタ」

「イマハ、オカアサンノジッカニイテ、ベルハイエニオイテキタカラ、ヘンジハイレナクテイイヨ」


それからしばらくして一度
お父さんの車で家に戻った。
母の実家と我が家は
時間にして15分ほどなので
そう遠くはない。

私は家に戻ってから
一端シャワーを浴び
また母の実家に戻る事になっていた。

明日の朝、一番に
顧問に電話して
「出られなくなった事」を
伝えなくちゃいけなかったから
顧問の電話番号をメモに控えた。



それから、ポケベル。

たった5時間ぐらい放っておいただけなのに、
何件か受信している。
もちろん先輩からもベルが入ってる。

「オマエ、テイキエンソウカイ、ドウスルンヨ?」

「イチド、デンワシテコイヨ。ナンジニナッテモヨイカラ」


涙が出た。
こんな時でもやっぱり私は出たい。

やっぱり出たい。

もう一度母の実家に戻っている車中で
父に言った。

「私さぁ、やっぱり演奏会、でたらダメかな?」

父は、
できることなら出してやりたい。
きっとばぁちゃんだって、「出ろ!!!」って言うと思う。
お母さんも出してやりたい って思ってると思う。
でも・・・・。
お父さんはなんともしてやれない。


母の実家に戻ると、
時間はもう夜中の2時を回って
さすがにさっきまでバタバタとうるさかった家の中も
静まり返っていた。


ポケベルが震えた。

「デンワ、デキナインカ?」
先輩・・・。無理だよ。今はできそうにないよ。
先輩の声を聞いたら泣くかもしれない。


それから間もなく朝が来て
私は顧問の家に電話をしようと
電話番号を控えた紙を握り締め
受話器を上げ
ゆっくりダイヤルした。
顧問がデンワに出て
事情を全部説明した。
本当にもう、出られないんだ・・・。


それからしばらくは
あっと言う間に時間が流れ、
午後4時頃には入棺。
それから間もなくお通夜が始まって
いつもと違う時間帯に食事を食べる。

ポケベルを見てる余裕もあまりなく
ふとトイレに行ったついでに見ると
同級生やOB達からのメッセージが
たくさん、たくさん入っていた。
みんな私を励ます言葉とか
一緒に出られないのは寂しいし残念だけど
仕方が無いからね・・・・
そんな内容だった。

正直なことを言ってしまうと
私はどこか、
私が居ないとダメだと言ってくれないかと
期待していた。
どこまで自分中心なんだ、私。


私のソロは誰が代わりにやるんだろう。
パート紹介の演出
何も考えてないまんまだったけど、
どうなったんだろう。
どうして誰も私に相談してこないんだろう。
私はパートリーダーなんだよ?


あっという間に1日が終わった。

明日はいよいよ、祖母の葬儀。
そして
定期演奏会。



私は最後の最後まで
出られないかともがき続けた。




そしてありがたい事に
部員やOBも
みんな同じ気持ちだった。

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演奏会に出れないっていう環境での気持ち
凄くわかります

俺も高校3年のとき最後の大会に出れなかったから・・・
自分が悪いんだけど試合が終わったら自然と涙が出てきて・・・

すいません
何言ってるかわかんないんですよね
From: プッチャン * 2006/07/29 22:32 * URL [Edit] * page top↑
   
こんばんは。
この時が、番長の人生の一つのの節目だったんですね。
railもありましたね。そんな時が・・・
From: rail * 2006/07/29 22:43 * URL [Edit] * page top↑
   
>>プッチャン様
いやー何をおしゃってるのか、わかりますよ。
プッチャン様も最後の大会に出られなかったんですね。なんかものすごいむなしいですよね、なんのための3年間だったんやろーって。
まー以降続きをお楽しみください。

>>rail様
実はこの続きにはちょっとサプライズが待ってたりするんです・・・。
うふふふふ。
でもちょっと続きを書く余裕がありませんので、もうしばらくお待ちくださいー。
From: 番長 * 2006/07/30 08:17 * URL [Edit] * page top↑
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